湘南国際マラソン2022
10月末の横浜マラソンに続き、12月4日に湘南国際マラソンに出場してきました。
前回の横浜マラソンから1ヶ月。
春夏に悩まされた膝と踵の痛みが42.195キロを走っても悪化しなかった為、付け焼き刃ですが、11月の前半2週間で皇居4周など、強度高めのトレーニングを。
後半は徐々に距離を縮めて体調を戻し、現状できるできる限りのことをして湘南国際マラソンに挑みました。
今回の湘南国際マラソン。今までのマラソンとは大きく異なる部分が。
ランナーは全て400cc以上のマイボトルの携帯を携帯することが義務に。さらにマイカップを持参することも推奨。
全てのランナーがマイボトルを持つことになります。
もし足りなくなったら、給水所でこのようなタンクからマイボトルに補給する形。ミネラルウォーター、スポドリ、カルピスなどがあるとのこと。
まずはこのマイボトルをどう持つか?問題。
できる限り大きなボトルは持ちたくない。で、上記の大会側から”有償で”配布されたマイボトル(上記写真)を持参することに。
これがきっちり400cc。400ccのボトルって他に探してもないんです。なんかこれを持つことを強制されているような。
大会以外で長距離を走る為にもともと持っていた「YURENIKUI PRO」と言うボトルポーチを使うことに。
このポーチは500ccのペットボトルを装着することを前提にデザインされているのですが、湘南国際マラソン支給の400ccボトルを装着して1度試走した際はそこまで問題はなさそうなので、これにマイボトル、マイカップ、エナジージェル、iPhoneを入れて走ることにします。
(このあとこれで痛い目に遭うことに)
自宅からふらっと行けて、しかもスタート地点周辺に公共交通機関がきっちりある横浜マラソンと違い、大磯駅からスタート地点の大磯プリンスホテルまで4キロ弱。シャトルバスもあるが例年大混雑とのこと。そもそも大磯までの東海道線もそこまで本数が多いわけではないので座っていける保証もない。
そこで、例年出ている、大会直行バスを利用。
神奈川、東京、千葉、埼玉の主要駅から観光バスで確実に着席して大磯プリンスホテルまで送ってくれます。他のラン友さんからも絶対に使った方がいいとのアドバイスをいただき、迷わず予約。料金は2500円と電車利用よりは高いものの、座って寝ていけるのはとても心強いです。
夜が明ける前の5時半過ぎには横浜駅到着。
観光バスが満員になり次第1台ごとに出発。私は第一便に乗れて、定刻の6:15より大幅に前倒しの6時前には横浜を出発。
6時40分には現地到着。すでに各地から続々と観光バスが到着。
この日の参加者は16,963名。文句なしの大規模マラソンです。
コロナ対策故の配慮かと思いますが、随分大磯プリンスホテルの敷地内をぐるぐる回らされる。
まずシャトルバスから更衣室まで約1キロ、そこから待機列まで600m、待機列からスタート地点までさらに数百m。
スタート地点ではラン友さんとも出会えて互いの健闘を誓い、いよいよスタート。
当たり前ですが、マラソンの際は極力薄着でスタートします。
多くのランナーが大抵30分以上の待機の為に防寒用に100均のポンチョなどを着用し、スタート地点や途中の給水所にあるゴミ箱に捨ててスタートするのが通例。
しかし、今回の湘南国際マラソン、環境配慮か参加案内にスタート地点にはゴミ箱はないとの表記。ゴミ箱も大幅減との表記も。
「これってポンチョ捨てられないってこと?」
そう思っていたら、10キロ地点付近で、応援をする予定のRuntripが縁で仲良くなったラン友さんから「jaydashさん、捨てられなかったら応援地点でポンチョ引き取るよ!」とありがたいお言葉。助かりました。
コースは大磯プリンスホテル付近の西湘バイパス上からスタート。そのまま国道134号を東へ。江の島入口交差点で折返し、同じ道を戻ります。
大磯プリンスホテルをスルーして、西湘バイパス上の西湘二宮ICで折り返し、大磯プリンスホテルの第1駐車場がゴールです。
確かに海は見られるんですが、大部分は砂防林に囲まれており、景色の変化が少なく正直退屈です。
9時スタート。
スタート直前に係員がゴミ袋を持参し、使い捨てポンチョを引き取ってくれました。これは助かる!。
自分はBグループからスタート。先頭からは1分45秒遅れでのスタート。
湘南国際マラソンはネットタイムが成績になるので、特別慌てることなくスタートします。
前回の横浜マラソンのオーバペースの反省を踏まえ、オーバーペースにならないよう今回はペースメーカーについて行こうと思ってました。
事前の発表で自分が今回の目標タイムと定めていた3時間45分切りのペースメーカーが同じブロックにいるとのことだったので、
自分がスタート時待機していたのが、Bブロックの半分より後ろあたり、どうやらペースメーカーはBブロックの先頭にいたようで、5キロごろまではペースメーカーが見つからず。
5キロ過ぎにやっと発見。追いついたんですね。ですが、このペースメーカーについて行こうとする人があまりにも多く、ペースメーカー周辺が大渋滞。
これだとただ走りづらいだけだと思い、GPSウォッチを見ながらペースメーカーよりちょっと前を走ることに。
11キロ過ぎにラン友さんたちの応援の大集団が。
ハイタッチに記念撮影。私は貰いませんでしたが、コールドスプレー、コーラやノンアルコールビール(笑)まで用意してくれていました。
この時に私のことを随分と撮影してもらい、googleフォト経由で早速いただきました。これは嬉しい!。
前半は体調面は全く問題なし。むしろペースを意図的に落としました。
勝負シューズとして使用しているNIKE AIR ZOOM TEMPO NEXT%は普段履いているランニングシューズに比べ反発性があまりにも高く、普段通りで走ろうとすると勝手にペースが上がってしまうんです。
(これが横浜マラソンのオーバーペースに繋がったんですが)
ただ一つ問題が。マイボトルが10キロまでになんと2度もボトルポーチから落下。
ペットボトル用に合わせてあるボトルポーチにソフトタイプの大会のボトルは合わなかったんですね。
で、12キロ過ぎに給水しようとすると、ボトルポーチにマイボトルがない!
どこかで落ちて気づかず走っていたんですね。
実際にコース上にはかなりマイボトルが落ちてました。
で、どうしよう?と。
マイカップは持参してますが、給水ごとにマイカップにタンクから注いで飲んでいては大幅なタイムロスになります。どこかでペットボトル入りのスポドリを買うにしてもコンビニに入るのも大幅なタイムロス。悩みながら走っていると側道に自販機が。
現金は持ってないけど、(GPSウォッチの中に)Suicaがある!。
ポカリスエットを売っているICカード対応の自販機を見つけ、すぐに購入。
大したタイムロスなく、“新しいマイボトル“を手に入れ、戦列復帰。
流石はペットボトル用のボトルポーチ。その後は全く落ちることはありませんでした(当たり前)。
19キロ過ぎ。江の島入口交差点で折り返し。
江の島の入口だけでなく、新江の島水族館も目の前にあるので、最も観客が多いところ。テンション上げられるところ。
給水は先述の通り、タンクからの給水ですが、補給食はどうなるのかな?と思ったらこれは全て個別包装ですが、レーズン、チョコ、熱中タブレット、バナナなどのほか、地元の銘菓など。
自分が受け取れたのがレーズン、チョコ、そしてこれ。
このういろうがなかなか開封できなくて…..。
その他にエナジージェルもあったようですが、目の前まで来ないと看板などが見えなくて、補給食の存在に気づいた頃にはもう通り過ぎちゃっていたんですよね。もうちょっと分かりやすくしてくれても….。
中間点を過ぎてもそれほど疲労は出ておらず、中間点でかなり疲労が溜まっていた横浜マラソンとは調子が違うなと実感。
25キロ過ぎ。ここで往路でも応援してくれたラン友さん達がお出迎え。
そろそろ疲労が蓄積し始めてましたので、ここで大きなパワーをもらいます。やっぱりお友達からの声援は力になるのです。
26キロ過ぎ、サザンビーチ。
往路では全く気にならなかったけど、実はこの辺りが上り坂。
ここでかなり体力を奪われます。
そして30キロポイントの難関、湘南大橋。
アップダウンもあり、当然左右何もないので、風がモロに当たります。
風は大したことがなかったけど、ちょうど30キロの壁。ほとんどのランナーがペースを落とし始めます。
自分もこのあたりから脚がヘタレ始め、ずっと1キロ5分10秒前半で進んでいたペースが後半に落ち始めます。33キロを過ぎると西湘バイパスに乗るため、観客はゼロ。しかも高架に上る為、横浜マラソンの首都高ほどではないものの上り坂に。
37キロ、ゴールの大磯プリンスホテルが(疲れてて、写真撮ってません。ストリートビューから)。
フィニッシュが見えているのにあと5キロ走らなければならないのが、この湘南国際マラソン。
これについて湘南国際マラソンの名誉会長である河野太郎デジタル担当大臣がblogにてかつてこの通り解答しています。
Q 復路に大磯プリンスの前を一度通過して二宮で折り返しますが、身体が限界のときに、ゴールの前を一度通過しなければならないのは心が折れます。コースを変更できませんか。
A それが湘南国際マラソンです。次回に備えて心も鍛えてきてください。
「はい、わかりました」としか言えません。
そう言う自分もこのあたりからメンタルがやられたのか?見事にペースがガタ落ち。実はこのあたりまでは3時間40分を切れるギリギリのペースで走っていたんですがいよいよ崩れます。
遂に3時間45分のペーサーにも抜かれ、「やばい!」と思っていたんですが、どうやらペーサーは3時間40分を目掛けて走っている様子。タイムを見てみても歩かなければなんとか3時間45分を切れそうな様子。周りの人たちに「3時間45分は切る!」と公言していた為にメンツにかけても3時間45分は切りたい。前回の横浜マラソンはその日の夜に仕事が入っていた為にあまり無茶はできないと言い訳ができましたが、今回はもちろん仕事は入れてないし、翌日は振替休日を取ってましたので、天気も悪くないし、何も言い訳できない状態。
41キロあたりで若干脚が止まったものの、すぐに走り始めました。
そして最後の最後、残り300m。ここに湘南国際マラソン最後の難関が待ち受けます。
大磯プリンスホテルの入口。これが物凄い急勾配の上り坂。
(辛過ぎて写真撮れなかったのでレース後に撮った画像です)
あまりの辛さに女性の方では泣いてる人までいましたね。
自分も「この仕打ちはないよ!」と心の中で叫んでました。
最後の最後、ゴールの後はぶっ倒れてもいいぐらいの気持ちで走り抜け、フィニッシュ。
無事、ネットタイムで3時間44分切り。当初の目標を無事達成。
最後は火事場の馬鹿力でしたから、ゴールした後は脚はボロボロ。
そして湘南国際マラソンにはゴール後に最後の最後の最後にもう一つの難関が。
ゴールは大磯プリンスホテル(大磯ロングビーチ)の第一駐車場。
荷物置き場や更衣室は大磯ロングビーチの流れるプールの周囲にあります。
一度でも大磯ロングビーチを訪れた方ならわかると思いますが、この第一駐車場と大磯ロングビーチ、かなり高低差がありまして、荷物置き場や更衣室へは階段を登らないとたどり着けないのです。
フルマラソンを終えたランナー達の脚は極度の緊張状態から解き放たれた状態。この階段で脚を攣る選手が続出するんです。
階段はまさに地獄絵図。多数の救護スタッフが脚を攣ったランナーの救護に。
ラン友さん達はその後打ち上げ等やっていたようでしたが、あまりにも疲れてて、「コレで飲んだら即寝ちゃう」と思い、ひとまず帰路。
案内によると最寄りの大磯駅、二宮に向かうバスはあるものの、西湘バイパスが閉鎖されているせいで国道1号が大渋滞でいつ駅に着くか?がわからないとのこと。その代わり大磯駅まで徒歩10分の大磯港まで西湘バイパス経由で送ってくれる無料シャトルバスならすぐ乗れるとのことで。そちらに乗ることに。
「よく考えてるなぁ」と思ったのが、朝乗ってきた観光バスはスタート後、そのまま関門に間に合わず棄権扱いになったランナーの収容バスとなり、その後、大磯プリンスホテル〜大磯港の無料シャトルバスになると言うカラクリ。
皮肉なのがその収容バスから降りる完走できなかったランナーと、既にゴールし、大磯港行きシャトルバスに乗る帰路の皆さんが、すれ違うレイアウトに。
完走できなかった皆様はかなり気まづいでしょうね。
参加者16,963人中、16,107人が完走。だから856人約5%が途中棄権。これを多いと思うか?少ないと思うか?。
ちょうど帰路の皆様が集中していて、大磯駅はかなりの混雑。
「コリャ座れん」と思い、帰りはグリーン車へ。
これも1本目はぱっと見グリーン車も満席で、もう1本待ったところなんとか座れた状態。日曜日の夕刻なのでちょうど時間帯的に湘南国際マラソン帰りだけでなく、箱根、熱海、小田原から帰ってくる行楽客もいるので、結構ギリギリなんですね。
帰宅して、妻と2人でお疲れさん会(妻は走ってませんし、応援にも来てません)。飲んで食って19時過ぎには寝てしまいました。
1月から仕事が忙しくなるので、今シーズンのレースはひとまずこれでおしまいの予定。来シーズンはとりあえず東京マラソンは応募したいなぁ…と思っていたり。
つくづく感じたのがフルマラソン前には必須と言われる30キロ走の重要さ。
横浜マラソンでは30キロ走をせずに挑み、見事に脚が30キロ前には攣ったような状態に。身体がロング走を突然したので、びっくりしちゃったんでしょうね。
湘南国際マラソンは横浜マラソンが実質30キロでしたからそのようなことはゴールまではありませんでした。
次のレースはキッチリ30キロ走をして挑まないとね。
まずは去年のように3時間半切りを狙える身体作りに励まないと。
今回の湘南国際マラソンの環境保護によるCO2削減効果は、約6トンと試算しているそうです。
(= 下記①②③④の合計値)
①ペットボトル31,500本 → 全廃
②紙コップ・プラカップ50万個 → 全廃
③フィニッシュ後配布ペットボトル(26,000本)→全廃
④上記①~③に伴う梱包段ボール、ゴミ袋、ゴミ箱→ 大幅減
⑤参加Tシャツ→ ペットボトルリサイクルによる繊維を使ったTシャツ。
⑥スタッフウェア → ペットボトルリサイクルによる繊維を使ったウェア。使用後は回収し、リユースを基本とします。
⑦荷物袋 → 使用後の袋を回収し、次回大会の荷物袋を製作します。
⑧大会プログラム → 大幅なページ数削減と電子化
⑨容器・包装など → 植物由来の素材活用。リターナブルの仕組み導入。
⑩エコ・フレンドシップ→ 資源分別ステーション、エコ・ランナー、エコ・スイーパー
これは、500ccのペットボトルに使われている資源を、約17万本分削減した場合と同等の効果となるそうです。
で、マイボトルマラソン、走ってみてどうだったか?ですが。
(あくまで個人意見です。正直意見は割れると思います)
自分のようにマイボトルを落とした奴は問題外ですが、基本的に3時間半以上かかるランナーには給水のタイムロスはもう誤差の範囲では?。
それ以上速いランナーにはやはりタイムロスになるのでは?
後はどれだけ給水するか?かと。自分はマイボトルで2割程度飲んで12キロ過ぎで紛失。そのあと自販機で買った500ccのポカリを飲み切らずにゴールしました。
ですので、ボトルへの給水はゼロ。どうしても水を飲みたくて40キロあたりマイカップで水を飲んだのが唯一の給水所でのストップ。
自分ってレースではあんまり水分を補らない方なんですよ。
普段21キロ走でも真夏でも350ccぐらいで事足りるレベルで真冬はほとんど飲みません。
これがかなり頻繁に飲む人だと給水が増えるので、タイムロスが増えます。
そもそもフルマラソンだと冬でも2〜3リットル(個人差かなりあり)近く発汗するので、せめて1~2リットルぐらいは飲むべきなんですよね。
マイボトルマラソンのメリットとしてはいつでも飲みたい時に飲みたい量を水分補給できること。やっぱり紙コップってキロ5分より早く走っていると半分は飲めないんですよね。
あと、紙コップのスポドリの給水所はこぼれたスポドリで路面や靴底がベッタベタになりますが、それがほぼありませんでした。
あとは見た目ですよね。補給食はやはりかなり路面に落ちていましたが、すぐにモップのようなもので、回収しており、それほど散らかるほどではありませんでした。
マイナスポイントは速いランナー、給水量が多いランナーにはタイムロスが目立つこと。あと確かに腰のマイボトルはやっぱり邪魔。
もう一つは水とスポドリ、1本しかマイボトルを持参していないとマイボトルに入ってない方を飲みたくなった場合はマイカップで飲まなかければならないこと。
給水所は足りたのか?と言う問題ですが、コース上で給水待ちをしているランナーは見かけませんでした。私より遅いランナーでもそこまで混雑はしてなかったのでは?。
給水待ちが発生していたのはゴール後ですね。今回はゴール後もいっさいペットボトルでの水やスポドリの支給はなかったので、結構並んでいましたね。
ただし、他の人のレポートを見ると、どうやらコース上では後半の給水タンクの水の補給が間に合わず、売切れ状態で給水できない人が出ていた様子。これはかなり問題。
ここら辺は初めての試みでしたから、次回は改善されることでしょう。
これからアンケート等が取られてランナーからの生の声が主催者側に届くと思いますが、どうなることだか?。
もともと日本陸連公認のレースではないので、タイムを真剣に狙いに行くプロやハイアマチュアなランナーは参加してないでしょうからタイムロスに対するクレームはそれほど来ないのでは?。どちらかと言うとマイボトル、マイカップを持つ鬱陶しさですね。
このマイボトルマラソンはそのまま継続で間違いないと思います。
今後これが他のマラソン大会に波及するのか?が気になるところです。
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