箱根駅伝往路ラン後編(5区)
箱根駅伝往路ラン、4区を走れ終えてから1ヶ月後の11月20日。いよいよ5区山登り。
4区までは大した準備もなく出掛けられましたが、5区は別格です。
一番気になったのは気温。スタートの小田原中継所は標高36m、最高地点が874m、ゴール芦ノ湖が723m。
真冬ではないですが、11月下旬。
今までは汗びしょ濡れの状態でも中継所から最寄りの駅までは徒歩などで戻れましたが、 標高が700mを超えるゴールはかなり寒いことが想定され、芦ノ湖から小田原まで戻るのは….。
で、妻に同行してもらい、小田原中継所の最寄駅の風祭までの衣類、着替え、その他荷物をゴール芦ノ湖まで持って行ってもらいました(バイト代はその夜の旅館の宿泊。もちろん宿代は私のポケットマネーから)。
1区から4区まではコロナ禍の人のすれ違いなどを考慮し早朝走り始めましたが、5区は宿のチェックイン時刻と気温を考えてお昼前にスタートにしました。
服装ですが、当初はどのくらい厚着をしなければならないのか?と悩みました。
しかし、直前の予報は晴れ、気温もスタートもゴールも15度近い予報。マラソンにしては暑いレベルです。
もともとは長袖にロングタイツのつもりでいましたが、予定を変更。
半袖Tシャツ(中に汗冷え防止用のインナー着用)にランニング用のアームカバー、コンプレッションタイプのショートタイツに疲労対策を兼ねてふくらはぎのカーフスリーブ、薄手の手袋と言うスタイルに。ほぼ真冬のマラソンと同じスタイルです。
横浜から東海道線の普通電車で小田原まで。
箱根登山鉄道の風祭駅を下車。
ちょうどコロナの行動制限はほぼなくなり、しかも箱根は紅葉シーズン。小田原中継所がある鈴廣かまぼこの里は盛況。
そんな中、ただ一人ランニングウェアの自分。当たり前ですが浮いてました。
11時40分ごろスタート。
5区は今までのように歩道橋登ったり迂回路に迂回させられたりはないだろうと思いきや実はいきなりそんな事態が。
まずは小田原箱根道路の箱根口ICの下りの入口を渡れないため、まずはスタートしてすぐ反対車線の歩道に。
その後今度は小田原厚木道路の小田原西ICの上りの入口が渡れない為、歩道橋でまた反対車線の歩道に。
次は1.2キロ先の箱根新道の山崎ICの入口で車道を跨げず、手前の側道から高架を潜り、反対車線へ。その後湯本周辺でまた下りの車線の歩道に戻ることに。
芦ノ湖周辺で反対車線に行かざる終えないところはありましたがアップダウンや駅伝コースから大きな迂回が発生するのはここまで。
この山崎あたりからゆっくり勾配が急になります。
スタートから約3キロの箱根湯本駅周辺はいったんフラットに。
箱根観光の起点となる箱根湯本駅。観光客でかなり混雑しており、危険がないようにスピードをコントロールしながら走行。
箱根湯本駅の商店街を過ぎるといよいよ本格的な山登りのスタート。
5区の映えスポットの函嶺洞門を過ぎ、4キロの塔ノ沢を過ぎるとさらに勾配が急になります。それでもまだ序盤、普段の平地のランニングに比べ1キロあたり20~30秒近く遅いペース(5分20秒~30秒/km。)ではあるものの比較的快調に進みます。
自分も週末は1キロで約40m近い勾配を必ず登るランニングコースを走っていて、そのおかげか、比較的登りには自信があります。
7キロ地点、大平台の急カーブ。ここを超えると若干なだらかに。
ここでスピードをかなり上げました
ちなみにここで気温は15度。
実際に走って感じたのは体感気温の変化がかなり激しいこと。
日向だと、アームカバーを捲らないと暑いぐらいの体感、日陰だとアームカバーをしっかり装着してもかなり寒いぐらい。
アームカバーと言う選択は季節的には正解でした。ただし12月に入ると防寒対策をしないとかなり寒いかもしれません。
そして9キロ過ぎの宮ノ下の交差点。箱根の山登りの途中では普段では最も応援が華やかなポイント。
実はこの交差点を左折したところからが一気に急勾配になります。
ここからがかなりキツい。恐らく箱根のランナーもここから苦しむことになると思います。
宮ノ下からすぐにある一昨年の台風19号による橋梁崩落の現場。橋梁が崩落するような場所だと思えばかなりの急勾配であると言うことがわかります。
このあたりで尿意が....。
どこかないかな?と思っていると登山鉄道の小涌谷の踏切の寸前に箱根町の消防本部があり、そこのトイレが一般開放されてます。
あと気づいたところでは、宮ノ下の観光案内所、芦の湯に公衆トイレがあります。あと芦ノ湖周辺はいくらでもあります。それほどコース沿いにはコンビニもないし、標高が上がると気温が下がり、お手洗いも近くなるので、早めにトイレには寄っておいた方が安全です。
小涌谷の踏切がちょうど10キロ過ぎ。
11キロ過ぎにあるのが、駅伝中継ではお馴染みのポイント小涌園。
現在本館は建て替え中ですが、日帰り施設のユネッサン、全室露天風呂付きの箱根小涌園 天悠が国道1号を挟んで向かい側にあります。
通過したのが13時ごろ。ちょうど人の出入りが少なかった時間なんでしょうか?。大規模な施設の割には人はまばら。
この周辺まで来ると標高は600mを超えます。気温も5度以上下がります。
紅葉もとてもかなり紅くなります。
このあたりが、5区の中で最もつらかったポイント。12キロ~15キロは普段はまず出さない1キロ6分台。1キロで標高にして80m以上登ってます。
15キロを過ぎたところで景色が変わります。曲がりくねっていたコースから一直線に。芦之湯のポイントです。
この直線でいったん下り、上りきったところが約16キロ、国道1号最高地点、標高874m。
この登りもかなりやられます。
ついに国道1号最高地点。登りきりました。
正直ここで達成感が生まれます。でもまだ5キロ弱あります。
ここから芦ノ湖畔までの2キロ強はずっと下り坂、標高にして150m近くを一気に下ります。ピーク時は4分30秒/kmを記録。普段自分が5000m走で出すスピードです。
そして、遂に見えました芦ノ湖。
ここまで麓や宮ノ下以外ではほとんど見なかった観光客がわんさかと。
湖畔では観光客の通行に配慮しながら先を急ぎます。
ラスト2キロは一気にペースアップ。しかしラスト1.5キロ辺りから数百m弱が最後の上り坂。ここが精神的にかなりキツい。「ここを超えればゴール」と気持ちを切替え、ラストスパート。
箱根関所南の交差点を右折するとゴールの石碑が見えます。
5区20.8km、往路107.5km、遂にゴール。
所要時間1時間52分48秒(写真撮影&トイレ休憩、信号待ち時間を除く)ペースは5分25秒/km。
正直もっとかかると思っていたんで(5分前半ペースで走れるとは思ってませんでした)かなりの大健闘です。
各区をまとめると(写真撮影&トイレ休憩、信号待ち時間を除く。括弧内は箱根駅伝区間記録)
1区 1:47:50 5:03/km (1:01:06)
2区 1:58:50 5:09/km (1:05:49)
3区 1:45:52 4:56/km (0:59:25)
4区 1:41:08 4:50/km (1:00:30)
5区 1:52:48 5:25/km (1:10:25)
往路 9:06:28 5:05/km (5:21:16)
区間記録と見比べると改めて箱根ランナーの脚力に驚かされます。
ゴールすると観光客と思われる方から声をかけられ、
観光客「5区ですか!?」
私「はい!」
観光客「どのくらいで走りました?。キロ何分ですか?」
私(おっ、この人走ってるね!)「キロ5分30秒位ですね」
観光客「お~っ!速い!お疲れさんです!」
ランニングをやらないと1キロでどのくらい走れるか?ってわからないものですよね。ゴールしたあとにこんな風に声をかけられるとうれしいものです。
ちなみに同じことを考えるランナーがどれくらいいるのかな?と思ったんですが、5区、つまり山登りをするランナーには一人も出会いませんでした。
まぁ同じ方向に走っているので、出会う確率は低いわけですが。逆に6区、山下りをするランナーは10人弱とすれ違いました。芦ノ湖~小田原を制覇したか?はわかりませんが。
妻から荷物を受け取り、直ぐに着替えて、バスで小涌谷へそこから箱根登山電車で強羅まで。
泊ったのは強羅駅前の箱根強羅温泉 季の湯 雪月花。
箱根駅伝のテレビ、ラジオの中継スポンサーでお馴染みの共立メンテナンスさんの旅館です。ドーミイン、ラビスタどれだけ愛用していることだが.....。
珍しくダブルベッドで宿泊。理由は簡単、ギリギリで予約しようとしたら宿が空いてなかったんです。まぁ今回は宿を愉しむために来たのではなく、ただ山登りしたあと、そのまま帰る元気はなかろうと泊まりに来ただけなんで....。
夏に宿泊した箱根白檀に比べればグレードは落ちますが、まぁ値段がまるで違うので....。
チェックインしてすぐにお風呂で疲労回復。
共立リゾートなので、よくわからない乳酸飲料とアイスキャンデーはデフォ。
この日は日本シリーズ初戦。行儀は悪いですが、食事処でiPad広げて観戦しながら、がっつり夕飯。夕飯後も部屋でチューハイ飲みながら観戦。
結果はマクガフが崩れ、まさかのサヨナラ負け.....。
翌朝、実は朝ランしました。朝ラン用のウェアも持ってきてました。
激しい筋肉痛ならやめようとは思ってませんでしたが、筋肉痛はほぼなかったんで。
筋肉を解す程度のランニングにするつもりなので、本来ならフラットな道が理想なのですが、強羅周辺って平地がないんですよね。
結局アップダウンの道。
筋肉痛はなかったものの、明らかに疲労は残ってましたね。かなりのダラダララン。まぁそれでよかったのですが。
お風呂に入って汗と疲労を流して、がっつり旅館メシをいただいて、あとは風祭の鈴廣で晩ごはんの買い出しをして、そのまま家路へ。
箱根は混んでましたね。強羅の駅のケーブルカーの乗車待ちもこの通り。
普段の紅葉シーズンならもっともっと混雑しているんでしょうけど。
これで、箱根駅伝の往路は制覇です。復路まではやる気はないです。
このランニングでさらに箱根駅伝観戦を楽しくなることでしょう。
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