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ichiro’s malt秩父蒸留所 再訪

 11月13日の秋晴れの土曜日、秩父へ。

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 ベンチャーウイスキーichiros malt秩父蒸留所

 11年ぶりの再訪です。

 前回の訪問記はこちらに

 

 11年前は蒸留を開始してまだ2年。当然まだ秩父蒸留所で作られたシングルモルトウイスキーは世に出ておらず、社長の肥土伊知郎さんの実家だった旧東亜酒造で作られたウイスキー原酒をブレンドし販売していた頃。

 世間ではまだまだ知名度はなく、販売していたウイスキーが国際的なウイスキーコンペディションで賞を獲得し始め、一部のウイスキー愛好家から注目されていた頃の話。

 蒸留所訪問から11年、この11年でウイスキーを取り巻く環境は一変しました。角ハイをきっかけに日本でもウイスキーがブームとなり、2014年にはNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」でブームに拍車がかかり、さらに日本だけでなく、世界中でウイスキーブームが到来。その中でもジャパニーズウイスキーは最注目され、熟成に時間がかかるウイスキーは全てのメーカーが原酒不足に。サントリーの山崎12年なんてかつてはスーパーでも買えたのに今やBarでもなかなか手に入らない貴重品に。白州12年は原酒不足が原因で終売に。

 簡単に数えられた国内のウイスキー蒸留所も次々と開設され、もうとてもとても覚えられないくらいに。

 訪問した翌年にイチローズモルトは秩父蒸留所の原酒を使用した初めてのシングルモルトウイスキー「THE FIRST」が発売。

 用意された7400本は即日完売。

 その後もウイスキーコンペディションで次々と最高賞を受賞。

 国内外で注目を浴び、売り出されるシングルモルトウイスキーは全て即完売。プラチナと化しオークション市場では10万円を軽く超えるウイスキーも。日本で最も入手困難なウイスキーになりました。

 買うことなんて到底できず、Barなどで飲むことができるイチローズモルトを飲み影ながら応援させてもらってました。

 見学用に作られてない秩父蒸留所、一般の見学は受け付けておらず、見学するには業界関係者の紹介が必須になります。

 今回、いつもお世話になっているWhisky Conciergeさんからお誘いいただき、久しぶりの再訪になりました。

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 横浜から池袋で特急に乗り換え約3時間、初めて訪れた西武秩父駅。

 まずは駅でランチ。駅のフードコートにて。

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 わらじかつがご当地フードだそうで(全然知りませんでした)

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 食後のデザートはイチローズモルトMWRジェラートにMWRのアフォガート。なんて贅沢。

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 そこからタクシーで20分程度で到着。

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 入口には前回訪問時にはなかった東亜酒造時代のポットスチル(蒸留器)が。

 ピカピカだった建屋も年季の入った色合いに。

 フロアモルティング室など建屋の数も増えました。

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 到着した直後に社長の肥土伊知郎さんが蒸留所に到着。

 前回訪問時は肥土さん自ら蒸留所を紹介していただきましたが、社員の数も増え、そのようなことはほぼないそうですが、今回は偶然にも少しだけ肥土さんとお話しする時間が。

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 前回訪問した直後に一緒に訪問したBarの有志で蒸溜したての原酒のオーナーになる制度「MALT DREAM CASK」に加入し、私たち夫婦も出資。昨年樽出しを完了。手元に届いていた為今回持参し、サインをいただくことができました。

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 前回訪問時からこれでもかと表彰状が増えました。

 今回蒸留所をご案内いただいたのはブレンダーの三澤秀さん。

 

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 まずは事務所隣の生産棟へ。

 今回の見学は全員、見学経験者ばかりでしたので、以前の見学からさらに踏み込んだ内容。

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 全てが稼働中で、マッシュタン(糖化槽)ものぞくことができ、その後したから麦汁を作り終えた使用済みの粉砕麦芽(グリスト)を取り除く工程も見学。

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 完全に手作業です。

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 麦汁にイーストを加え発酵しアルコールを作るウォッシュバック(発酵槽)。

 一般のウイスキー蒸留所ではステンレス製ですが、こちらでは木製、しかもミズナラ。ミズナラに住み着く乳酸菌による効果を狙ったもの。

 ただし、水が漏れやすいミズナラ樽は漏れた跡や数多くの補修の跡が。

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 これが11年前ですが、かなり変色してますね。

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 銅製のポットスチルもいい色に変わりつつあります。

 

 この11年で蒸留所も大きく変化しました。

 まずは製樽工場の完成。

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 そして、一番の変化が第2蒸留所の完成です。

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 本社蒸留所から車で数分。同じ工業団地の一角に完成した第2蒸留所。

 需要が供給を大幅に上回る状態が慢性的に続きその打開策として、2018年に着工、2019年に蒸留開始。

 原酒生産能力は本社蒸留所の実に5倍。

 第2蒸留所の生産棟は大量生産に対応するため、極力人力を用いずに済むような設計。

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 麦芽置き場も広々。本社蒸留所では一袋25キロだった麦芽が入った袋を手作業で袋を開いてミル(麦芽粉砕機)かけてましたが、こちらでは1トンの袋をリフトで吊るしてそのままコンベアで別部屋のミルがある部屋へ。

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 麦芽を粉砕する前にデストナーと呼ばれる石などの不純物を除去する機械にかけてからミルへ。今までは不純物は人力で除去してました。

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 マッシュタンは側面に縦ののぞき窓が。これで内部の状態がよく見ることができます。

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 これも稼働中のものを見ることができました。

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 ウォッシュバックは木製ながらミズナラではなく、ヨーロピアンオークの樽を使用。ミズナラではこんなに大きな樽を作ることできないんですね。

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 ポットスチルは初溜、再溜用の2基ながら本社蒸留所のものに比べ圧倒的大きい。そりゃ生産能力5倍ですから。ちなみに形は敢えて似せています。

 本社蒸留所ではポットスチルの加熱は蒸気式なのに対し、第2蒸留所はガス直火式。

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 蒸留の真っ最中でして、スピリットセーフにずっとニューポット(出来立ての原酒)が流れておりました。

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 ニューポットは樽詰め室タンクに一旦詰められ、そこで樽詰めへ。

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 ちょうど樽詰めも作業中で、見学することができました。

 本社蒸留所では音で満杯になりつつあることを感じ取って、コックの開閉をしておりましたが、今は専用の機器を用いて、満杯になったら自動的にニューポットが流れなくなる構造に。

 第2蒸留所の生産棟は本社蒸留所に比べ、見学時に配管を跨いだりすることもなく、見学者を迎えることを想定していると思われる造り。

 ただし、今でも見学者を受け入れているのは1日1~2組程度の様で、当分の間は一般の受け入れはないでしょうね....

 

 これだけ原酒を作っていれば、当然熟成用の貯蔵庫も必要になるわけで。

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 まずは第2蒸留所にある第6貯蔵庫へ(11年前は1つしか貯蔵庫がありませんでした)。 

 こちらは今までの秩父蒸留所で使われていた長期熟成に向いているされている伝統的なダンネージ式。

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 ここもかなりの広さです。シェリー樽、ワイルドターキー、ジムビームなどのバーボン樽、フレンチオークの樽などなど。

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 そして今年完成したばかりの第7貯蔵庫。

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 18,000樽収容可能な巨大なラック式の貯蔵庫。

 ここはホワイトラベルなどに用いる海外より輸入した原酒をメインに貯蔵します。

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 樽を入れるためにフォークリフトも専用の搬器がつけられています。

 できたばかりの貯蔵庫なので、もちろん樽がない区画もありますが、意外にも樽が埋まってます。ここが埋まるのも時間の問題なのかも.....

 この膨大な量の樽の管理をどうしているのか?を訊いてみると現時点ではなんとExcel

 「そろそろ行に限界が.....」そうですよね.....

 

 本社に戻り、お待ちかねの試飲タイム。

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 まずは頂いたのはホワイトラベルとのカスクストレングス、MWRのカスクストレングス、10年熟成のシェリーカスク。

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 その他にも通年販売のボトルをいろいろ。

 久しぶりのイチローズモルトをこれでもかと試飲させていただきました。

 予定時間を大幅に延長しての見学会となりました。

 11年ぶりの蒸溜所見学、大満喫でございました。

 実は後日社長の肥土伊知郎さんのご尊父様の肥土豊さんが1027日にお亡くなりになっていることを知りました。そんなことも一切口にせず、ご多忙の中、ご対応いただいた肥土伊知郎さんにはただただ感謝しかなく….

 

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