« 最初に肝心なことに気づかなかっただけ(五輪野球) | トップページ | iMac 10th anniversary! »

改めて考える野球とカネ、選手とフロント

 mixiの日記のコメントでちょうど関連するネタがでましたので、ちょっと書評を

 前回行ったプロ野球ナイトで話が出た本を図書館で予約して借りてきました。

2008082401 マネー・ボール (ランダムハウス講談社文庫)


 出たのは随分前です。


 ニューヨーク・ヤンキーズの1/3以下の年俸総額で,ニューヨーク・ヤンキーズ並みの成績を上げ続けている奇蹟のチーム、オークランド・アスレチックス。そんな奇跡のチームを作り上げたこれは元二流メジャーリーガーのGMビリー・ビーンとスタッフ達の哲学と思想を追ったドキュメンタリー。「野球」を徹底的に科学し,文字通りの意味での「勝利の方程式」を作り上げるまでのノンフィクションストーリー。

 今までの常識を徹底的に潰し、新しい理論を組み込んだ。例えば、
 ○打率よりも長打率よりも、出塁率最重視。
 ○高校生をドラフトで獲るのはハイリスクなので、獲らない。
 ○ドラフトでは客観的データ主義を通し、従来のスカウトの経験や勘による選手評価は無視。
 ○如何にアウトを取られないか?を重視し、盗塁やバント・エンドランは極力回避。
 ○投手が自分で防げる与四球、奪三振、被本塁打などの指標は重視し、被安打は偶然の産物と解釈。
 ○守備による失点は無視。
 等々。
 
 今までの評価によって年俸が跳ね上がった選手に目もくれず、独自の評価基準や隠れた才能を見つけ出し、”隠れお宝選手”を入団させ、金持ち球団と互角できるまでに至った。

 プレーオフでは苦戦するものの、実際にヤンキースの1/3の年俸で互角に戦っているのだから、ビリー・ビーンGMが実践している理論が機能していることは間違いないでしょう。

 金がない、他球団でお払い箱になった選手を生き返らせる等、一部スワローズに照らし合わせられる部分もあり、興味深く読むことが出来ました。もちろん、異なる部分がほとんどでしたが。
 
 今までの常識とされていた評価基準で選手を評価するのはもう限界が来ているのは事実だと思うし、受け入れるべきだと思います。
 まぁどこの球団も今やそれぞれ調べ抜いてそれぞれの観点で評価することは始めているでしょうが(と、信じたい)。
 
 逆にこの経営スタイルの問題点はあくまで選手は将棋の駒と同じ扱い。選手個々の人間性や生え抜き選手の重要性は全く無視。
 特に日本では成績=選手の人気ではないので球団にとって最も重要なファンの獲得と言う問題において、かなりのマイナスになりますよね。
 例えば昨シーズン末の高津の首切り。アスレチックス的な経営スタイルであれば、問答無用でクビを切ったところ。それがファンからは物すごい反発があった。
 実際にアスレチックスはこの経営スタイルが仇になったかは定かでないが、チーム成績が好調なのにもかかわらず、観客動員数の伸び悩みに苦しんでいる。

 まぁベストセラーになった本ですので、どこの球団のフロントさんも読んでいるとは思います。それぞれの球団のフロントさんはどのような感想を持ちましたかね?。そこに興味がありますね。
 「この本通りに経営すればチームは常勝球団になれる!」と思っている球団はいないとは思いますが、「こんな理論は全て嘘っぱちだ!」と思っている球団は1〜2球団はいそうで怖いです。
 どうです?>○ャイアンツやバフ○ローズのフロントさん。


|

« 最初に肝心なことに気づかなかっただけ(五輪野球) | トップページ | iMac 10th anniversary! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 改めて考える野球とカネ、選手とフロント:

« 最初に肝心なことに気づかなかっただけ(五輪野球) | トップページ | iMac 10th anniversary! »